今だからこそゴルゴ13を読むべき理由

今だからこそゴルゴ13を読むべき理由

 

ゴルゴ13はさいとうたかをが描く劇画漫画であり、世界を股にかけるスナイパー、デューク東郷の活躍を描いた作品です。普段はめったに喋らないデュークですが、イザという時に発揮する狙撃の腕、変装やトラップなどを巧みに使いこなし、たった一人で敵地の奥まで乗り込んでいくその勇姿に惹かれます。デュークは世界各国の要人などから仕事を請け負うのが普通ですが、報酬額の多寡に関わらず、仕事を受ける時もあり、決してその報酬額だけが全てではありません。

 

ハマるポイントは、その世界情勢感にあります。ゴルゴを読めば、その時代の世界情勢が分かると言われるぐらい、世界情勢の教材としても優秀だと私は思っています。ベルリンの壁崩壊やイラン・イラク戦争など、まさに現実とリンクしているので、政治に興味のある人はハマるかもしれません。また、スナイパー物に興味のある人、どんでん返しに興味のある人にもオススメです。

 

主人公の魅力、それはいついかなる時でも動じない冷静さと行動力です。デューク東郷は例え、あと数秒で閉まってしまうドアの隙間からスナイプしたり、落下状態で窓の向こうにいるターゲットを狙撃したりもします。この的確な性格こそが読者を惹き付けるのです。

 

一番好きなシーンは、ゴルゴが400メートル以上離れたところから風までを計算に入れて狙撃するシーンです。これにはニューヨーク市警の刑事も証拠を掴むことはできず、人間業ではないということを認めたシーンでもあります。超長距離からのピンポイントスナイプシーンとして、私はこの場面が大好きです。しかもビルの隙間から狙撃したんですから、ゴルゴの腕を見たければこのシーンを見れば全てわかります。

 

一番好きなセリフは「暗闇の中でじっとしているほど、俺は自信家じゃない」という言葉です。これは依頼人と会う時に何度か言っている言葉なのですが、暗闇にずっといると、敵から狙われる確率が飛躍的に上がります。例え依頼人と言えども、絶対的に信用はしないというゴルゴの慎重さが見て取れます。臆病さと大胆さを併せ持っていないとスナイパーは務まらないというゴルゴの一番好きなセリフですね。

 

この漫画は日本でも長期連載としては珍しいぐらい長く続いている作品ですので、さいとうたかをという漫画家のすごさを味わうだけでも素晴らしい感想が得られるのではないでしょうか。哲学と重厚さを持ち、仕事は一流にこなす男の美学のようなハードボイルドさを求めている人にはピッタリの作品なので、「男」を目指している人にはぜひゴルゴ13全巻セットで読んでもらいたい作品です。仕事に対する熱意を奮い起こすビジネスマンにもオススメですよ。
キングダム 全巻